初めてでも誰でも使え治療法も示唆してくれる
データ式褥瘡マネジメントシステム:「褥マネ」
医療法人 久康会 平田病院
柳田和宏, 黒木新一, 柳瀬真弓, 玉井亮介, 内田修一, 平田耕太郎
【目的】
褥瘡が全身疾患で全身的管理が必要なことは広く認知されている。が、その治療を的確に行う為に不可欠な発生因子を全身評価として捕らえたものはない。当院でも、受け持ち患者の褥瘡リスク評価方法に、ブレーデンスケールとK式スケールを用いてきた。しかし、経験などの差により、看護師の評価内容の不一致がしばしば認められた。そこで経験・理解度の差があってもだれが行っても同じ結果になるアセスメント表の必要性を感じた。そして、当院に適したデータ式褥瘡マネジメントシステムを考案し、ブレーデンスケール・K式スケールの一致率をみた。
【褥マネについて】
日本リスクマネジメント協会と提携して、医療分野にも活躍の場を広げている英国安全協議会安全管理制度における原理を参考にした。まず重要少数項目の原理を応用し、褥瘡発生危険因子の有意差を考慮し、各項目に対する点数配分は均等でなく、危険因子の影響度を考慮した点数配分にした。点数は、認定の原理・参加の原理を参考にし、100点満点とした。理由は、一般の方からの理解納得が得られやすい、評価者である看護師も褥瘡対策ケアに対する結果が点数に結びつくため意欲を増す動機づけになると判断したためである。その項目は @寝返り A臥床時間 B総蛋白、アルブミン値、コレステロール CHb値 D標準体重比 E排泄状態
F褥瘡の既往 G糖尿病の有無 Hその他とした。@Aは活動性、摩擦やずれBCDは栄養状態Eは湿潤Fは現在の状態Gは循環状態をみる指標にした。そして褥瘡発生リスク管理表を作成し、褥マネの結果をPC入力すると、褥瘡を発生しやすい患者ほど上位にくるようなプログラムにした。更にリスク項目に対して必要な対処方法を指示するようなシステムも組み込んだ。
【方法】
当院入院中の日常生活自立度B・Cランクの患者5名に対し、看護師30名(准看護師21名、正看護師9名)でBS・K式・褥マネ3方法での評価をそれぞれ行い、一致率・理解度の比較検討した。
【ブレーデンスケールの結果】
「項目」 「一致率」
@知覚の認知・・・・・・・・・・74.4%
A湿潤・・・・・・・・・・・・・・・・53.2%
B活動性・・・・・・・・・・・・・・89.6%
C可動性・・・・・・・・・・・・・・73.2%
D栄養状態・・・・・・・・・・・・67.6%
E摩擦とずれ・・・・・・・・・・87.6%
【K式スケールの結果】
大変理解しやすい‥‥‥‥ 3.3 %
理解しやすい‥‥‥‥ ・・・・16.6%
普通‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・33.1%
分かりにくい‥‥‥‥・ 57.0%
【褥マネの結果】
【項目】 【一致率】
@寝返り・・・・・・・・・・・・・・・・・83.8%
A臥床時間・・・・・・・・・・・・・・90.6%
B栄養状態・・・・・・・・・・・・・・100 %
C貧血・・・・・・・・・・・・・・・・・・100 %
D標準体重比・・・・・・・・・・・・100 %
E排尿・排便・・・・・・・・・・・・・95.2%
F褥瘡の既往・・・・・・・・・・・・100 %
G糖尿病の有無・・・・・・・・・・100 %
Hその他・・・・・・・・・・・・・・・・90.1%
【考察】
ブレーデンスケールについては、活動性、摩擦とずれの項目は一致率が87%以上と高い一致率を示した。しかし知覚の認知・湿潤・可動性・栄養状態は各項目差が広がっており、特に湿潤・栄養状態の項目は70%以下の一致率となった。これはブレーデンスケールの表現が定性的な表現方法のため、評価者の主観によって評価結果が異なったのが原因ではないかと考えられる。
K式スケールについては、当院ではまだ充分な褥瘡に関する研修がなく、判断に迷う・わかりにくいとの意見が多数あがった。しかし体圧測定器を使用することは、今後の褥瘡予防に有効性が高いとの意見もあった。
褥マネについては、栄養状態、貧血、標準体重比、褥瘡の既往、糖尿病の有無は100%の一致率となった。これはブレーデンスケール・K式スケールような定性的表現から定量的表現に変えたことによる成果と考えられる。臥床時間・排泄状態・その他の項目は一致率が90%以上、寝返りの項目は80%以上と80%を下回る項目はなく、予測妥当性が高いスケールと示唆される。
【まとめ】
褥マネでは、褥瘡発生予測リスクに応じた点数配分を行い、結果が数値として求められることにより、再現性の高いアセスメント表になった。従来の抽象的な表現方法では、家族の納得と同意がむずかしケースもみられたが、今はわかりやすいとの評価を得た。本来これらのデータは患者本人のものであり、100点満点と誰にもわかりやすい再現性の高い評価方法によってアセスメントする事は評価者にも患者にも家族にも広く認知できることになり、このインフォームドコンセントが極めて重要な事であると思われる。
【褥瘡マネジメントシステム】

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【褥瘡発生リスク管理表お申込み】
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